2008年5月17日土曜日
ビジョナリーカンパニー
大学1年の時に買って、最近読み始め、昨日読了した。
名著と言われる意味も分かるし、ビジョナリーカンパニーとは何ぞやということが、実際にビジョナリーカンパニーを上げて、実例をもとに書かれている一冊。
起業したい、今の会社をビジョナリーカンパニーをつくりたい!と思っている人でなくとも、必ず得る物がある本だと、思う。
内容で特に心に残っている点を以下に。
●時を告げるのではなく、時計をつくろうとしたのだ。
●自己満足に陥らない様にし、内部から変化と改善を生み出す
●信念以外の組織のすべてを変える覚悟で臨まなければならない
●試してみよう、なるべく早く(3M社教訓)
●一貫性をもつ
まだまだあるが、メモしている物をベースに5点挙げた。
『時を告げるのではなく、時計をつくろうとしたのだ。』
ビジョナリーカンパニーは、競争ではなく、自分に勝つ事を第一に考えている。そして、長期的と短期的、利益と顧客満足など一見トレードオフと見えるもののそのどちらも、重要と考え、それらをいかに両立するかを常に思考している。
『自己満足に陥らない様にし、内部から変化と改善を生み出す』
『信念以外の組織のすべてを変える覚悟で臨まなければならない』
ビジョナリーカンパニーには完成はない。常に変化する世界の中にあるものが、変化しないという事は退化でしかない。ダーウィンが言う、種の生存競争と似たものがあると本書の中でも書いている。特に今のいわゆる"大きな物語"的な正解のない時代において、この教訓が最も重要な意味を持っていると感じる。
『試してみよう、なるべく早く(3M社教訓)』
僕が本書で、一番印象に残っている企業は断然「3M」である。正直その存在をあまり知らなかったところから始まった事もあり、読前→読後の印象の差が最も大きい。
3Mはサンドペーパーから始まり、マスキングテープ、油取りがみや、ポストイットを創っている企業である。その商品はあまりに多肢にわたるため、まさしく「3メートル以内に3m(スリーエム)」と言える存在となっている企業である。
多くのビジョナリーカンパニーがコアな事業や問題解決したい分野があるなか、3Mは特異な存在だと思うこの企業に基本的に理念以外に軸はない。それ以外にある事は、新しい物をつくり続けること、そして変化する事である。
その上で、小さな多くの実験をしつづけ、その中から一部の良いと思われるものを市場に出すと言う、徹底的な仮説検証の繰り返しを行う企業であり、だからこそ、今もまだ成長している企業なのだろう。
『一貫性をもつ』
これは大変難しい問題だと思っている。一貫性とはどのレイヤーの話なのか。またそれは変化と矛盾しないのか。ビジョナリーカンパニーは、少なくとも一貫性と変化を両立させている。
僕の理解としては、一貫性のない企業は、それ自体が自立しえないと思う。つまり、長期的に構造物として成り立たないプレハブか仮設住宅のような物だ。一方、変化がない企業は、外部の力によって容易に崩れる。地震や突風などによって、破損、倒壊してしまうものである。その両立があってはじめて継続的な繁栄が可能になるのであろう。
言うはやすし行うは難しであることは百も承知だが、この本を読んで、今まで以上に、継続的な企業をつくることの難しさがわかったが、やらないとわからないということもまた同時にわかった。
そして、明確に自分の企業をつくりそれを育てるという事を、したいという純粋な気持ちが大きくなるのを感じた。
是非ご一読を。
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